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中国政局を読むII−習近平の反腐敗闘争

 中国共産党政権は2012年秋から13年春にかけて、最高指導者の党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席が胡錦濤氏から習近平氏に交代した。胡氏の前任者だった江沢民氏は総書記・国家主席を退任して後も、しばらく軍事委主席の座にとどまり、院政を敷いたが、胡氏は政権トップとして史上初めて完全引退で権力を習氏に移譲。習近平体制は順調なスタートを切ったように見えた。

 かつて政権を率いた毛沢東、小平の両氏は革命・建国の元勲。江、胡の両氏は事実上、氏を中心とする革命世代の有力長老グループが最高指導者に指名した。胡氏までのトップはいずれも革命を起源とする正統性を権力基盤としていた。

 これに対し、ポスト革命世代である江、胡両氏の妥協人事で最高指導者となった習主席は、そのような正統性を持たない。このため、習主席は新しい中央指導機関を次々と設けて、個人的権力を強化するとともに、官僚の汚職を取り締まる「反腐敗闘争」を強化し、党内の粛清に乗り出した。

 習体制下では、胡主席時代に党最高指導部メンバーの政治局常務委員だった周永康氏や軍事委副主席だった徐才厚氏が汚職疑惑で失脚。政治局常務委員や軍首脳の経験者が反腐敗で粛清されたのは初めてだ。

 しかし、反腐敗の対象を拡大したことで、権力闘争は激化した。腐敗まん延の主因である一党独裁体制はむしろ強化されているため、汚職撲滅のめどは全く立っていない。

 また、習主席は国内総生産(GDP)世界2位の経済力を背景に、中華ナショナリズムを強調して、大国外交を展開。中国は国際的影響力を着実に拡大しているが、その一方で、日本など周辺諸国や米国の警戒も招いており、習主席は国内政局だけでなく、対外関係でもリスクを抱えている。

(「はじめに」より)

中国政局を読むII−習近平の反腐敗闘争

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●チャイナ・ウオッチ 万物静観
 時事通信社「金融財政ビジネス」掲載
 2011年12月12日付〜2015年5月21日付

時事通信社 香港支局長 西村哲也[著]

 ●発行:2015年6月19日
 ●B5判・132頁

【目 次】─────────────────────────────

 1 「外部勢力の介入」に猛反発 米主導の対中包囲網形成で

 2 大規模抗議がようやく終結 一時「解放区」と化した広東省烏坎村

 3 重慶市トップの側近が失脚 次期指導部人事に影響も

 4 重慶市書記がついに解任 胡錦濤政権下で最大の政局に

 5 最高指導部メンバーの連座説も 前重慶トップが完全に失脚

 6 江氏が登場、温首相失脚説も 党大会前に暗闘続く中国政界

 7 天安門事件は「悲劇」だった 当時の北京市長が回顧録で遺憾表明

 8 第18回党大会、10月開催か 政治局員選挙で「党内民主」拡大も

 9 胡主席が党大会報告の基調演説 保守回帰の左派路線を否定

 10 胡主席の側近が「左遷」 江前主席派の報復か

 11 薄熙来氏の党籍剥奪、訴追へ 第18回党大会の11月開催決まる

 12 史上初、トップが完全引退 新指導部は妥協の布陣に

 13 習近平総書記が「南巡」 初の地方視察で江沢民離れを示唆

 14 有力紙の記事改竄が大騒動に 広東省党宣伝部の検閲に記者ら反発

 15 江沢民氏の序列が12位に 「宿敵」の葬儀で急低下

 16 一党独裁堅持の決意を表明 習総書記が内部講話

 17 胡派の李源潮氏、国家副主席に 習近平指導部が本格始動

 18 「琉球問題」提起で日本を牽制 尖閣に加え、歴史発言にも不満

 19 習近平体制、左傾化が鮮明に 対外政策では海洋進出拡大

 20 習総書記、党内で「整風」開始 異例の4日連続の政治局専門会議

 21 江沢民氏の発言、異例の公式報道 政治的影響力を誇示

 22 江派大物に対する「包囲網」狭まる 石油閥の不正調査、閣僚級も対象に

 23 地方で「批判と自己批判」の生活会 党内を引き締め、市場経済化の改革推進へ

 24 「国家安全委」「改革指導小組」を創設 党3中総会で習主席の権力強化

 25 習主席、強硬策で軍掌握狙う 東シナ海に防空識別圏設定

 26 汚職疑惑の周永康氏軟禁 側近の警察高官らも取り調べ

 27 改革小組・安全委の首脳人事決定  いずれも「習─李」体制に

 28 「ネット安全指導小組」組長も兼務 習主席、宣伝工作の掌握狙う

 29 軍内の「反腐敗闘争」強化 大物2人を拘束・起訴、国防相も調査か

 30 習主席の視察狙い爆弾テロ 新疆で発生、メンツ丸つぶれ

 31 習主席、経済政策も直轄 党中央財経小組組長の兼務判明

 32 中国軍首脳経験者、汚職で初の処分 習主席の反腐敗「例外なし」示す

 33 周永康氏、ついに立件発表 元政治局常務委員の汚職を初摘発

 34 反腐敗、地方トップにも波及 山西省党書記が事実上の左遷

 35 香港問題、習主席の試練に 「一国二制度」の成否かかる

 36 日中関係改善に向け玉虫色の合意 尖閣海域緊張で「異なる見解」明記

 37 周永康氏、汚職で党籍剥奪・逮捕 元政治局常務委員として史上初

 38 胡錦濤氏の元側近、反腐敗で失脚 共青団派の中央指導者を初摘発

 39 胡春華氏の政治局常務委入りが焦点 関心高まる17年の党大会人事

 40 中国外交、協調路線をアピール 周辺諸国と「運命共同体」構築

 41 江派重鎮の周永康前書記を起訴 反腐敗闘争、より大物も標的か

 42 「中所得国のわな」で異例の警告 楼財政相「中国が陥る可能性50%以上」