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中国政局を読む─胡錦濤から習近平へ

 中国が改革・開放政策を始めてから30年以上が過ぎた。毛沢東時代の中国は政治運動偏重だったが、文化大革命(1966―76年)終結後に復活した小平氏は経済重視路線に転換。天安門事件(89年)後の一時期を除いて高度成長を続け、国内総生産(GDP)の規模は既に日本を追い抜いた。

 しかし、中国経済は起点があまりに低かったので、発展のレベルを示す1人当たりのGDPはいまだに日本など先進国の約10分の1にすぎない。また、共産党一党独裁下で市場経済化を進めた結果、階層間・地域間の格差拡大や官僚の不正・腐敗が深刻化して、国民の不満は高まっている。

 高度成長至上主義だった氏や江沢民前国家主席と異なり、胡錦濤国家主席は「和諧(調和)社会」建設を目標に掲げ、バランスのとれた発展を志向した。だが、実質的な政治体制改革を相変わらず回避しているため、党・政府機関や国有大企業といった既得権益集団の意に反して弱者救済の政策を断行するのは難しいのが実情だ。

 「社会主義」の看板を堅持する中国は単なる経済成長ではなく、「共同富裕」を目指したはずだが、その達成度という観点から見ると、改革・開放は失敗しつつあり、習近平体制は山積した難問を引き継ぐことになる。

 本書には、こうした厳しい状況下で、中国にはどのような政策論争があるのか、権力闘争が具体的にどのように展開されているのかを詳しく分析した連載記事(「観察“中国の永田町”」と「China Watch―万物静観」)を収録した。広東省の話が多いのは、経済規模が最も大きい改革・開放の先進地区で、かつ筆者が隣の香港から特に細かくウオッチしているからである。また、胡錦濤体制の重大突発事案への対応を紹介する意味で、四川大地震(08年)の取材日誌を付記した。

(「はじめに」より)

中国政局を読む─胡錦濤から習近平へ

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●観察 “中国の永田町”
 時事通信社「時事トップ・コンフィデンシャル」掲載
 2008年12月9日付〜2009年3月10日付
●チャイナ・ウオッチ 万物静観
 時事通信社「金融財政ビジネス」掲載
 2009年4月6日付〜2011年11月14日付
●四川大地震取材日誌
 時事通信社「時事トップ・コンフィデンシャル」掲載
 2008年9月2日付〜9月26日付

時事通信社 香港支局長 西村哲也[著]

 ●発行:2011年12月12日
 ●B5判・130頁

【目 次】─────────────────────────────

 ●観察 “中国の永田町”

 1 挫折した新「土地改革」

 2 広東省トップ、温首相と争う

 3 胡主席、軍事委人事を断行か


 ●チャイナ・ウオッチ 万物静観

 1 李克強氏、早くも脱落か ─中国の次期首相レースに異変?

 2 次期首相狙う薄熙来氏 ─重慶から北京復帰へ布石

 3 胡錦濤派がもくろむ広東閥つぶし ─高官を相次ぎ検挙、地元政界に衝撃

 4 本格化する権力闘争 ─深セン市長が不正で失脚─12年の党大会にらむ

 5 サミット欠席は政局絡みか ─胡主席「ウルムチ暴動で緊急帰国」の内部事情

 6 少数民族政策、見直しの可能性も ─胡主席直系若手が会見

 7 不透明になった「ポスト胡錦濤」 ─習副主席、軍事委入りの発表なし

 8 2つの「司令部」 ─江沢民氏、存在誇示の理由

 9 江派の重慶市トップを襲った「異変」 ─緊張する政局、胡主席派が攻勢

 10 「胡春華総書記」「孫政才首相」の布石か ─第6世代が地方トップに昇格

 11 習近平氏の地位、当面安泰に ─胡主席への恭順と政局の混乱収拾で

 12 胡主席派、広東を完全掌握へ ─党書記や省首脳ポストを独占

 13 李源潮氏がダークホースに ─12年の党大会人事

 14 新疆自治区トップを更迭─12年の党大会人事に影響も

 15 賃上げ促進政策でスト続発 ─胡主席の「和諧社会」路線が背景に

 16 胡錦濤指導部、大胆な柔軟姿勢 ─香港選挙制度改革と中台経済協定で

 17 習副主席の軍事委入りが焦点 ─10月に5中総会─共産党

 18 政治体制改革問題、今後の焦点に ─胡主席・温首相が相次ぎ言及

 19 習副主席の次期総書記が確定 ─5中総会で軍事委入り

 20 胡錦濤氏、2年後に完全引退? ─「軍事委主席続投せず」との報道

 21 「太子党」連合を誇示 ─習副主席、重慶の施政に賛辞

 22 胡主席の共青団派が優勢 ─来年秋の党政治局員人事

 23 江派の鉄道省トップ、不正疑惑で失脚 胡主席派による粛清か

 24 中国政治の左傾化顕著に ─改革派による巻き返しの動きも

 25 臆測呼ぶ訪日時の涙 ─温首相に政治的圧力か

 26 温首相の側近、汚職で左遷か ─江沢民派の元高官も党除名

 27 次期2首脳が存在をアピール ─地方では「ケーキ論争」

 28 ベテラン勢の去就が焦点に ─1年後の第18回党大会人事

 29 辛亥革命100周年で擦れ違い ─中国は「統一」、台湾は「国防」


 ●四川大地震取材日誌

 1 外国医療チーム、受け入れに差 【5月12〜25日】

 2 校舎倒壊は人災だ 【5月26〜29日】

 3 つかの間の「報道の自由」 【5月30日〜6月3日】